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Report: 黒石寺の蘇民祭に行って来ました2013(動画あり)


黒石寺蘇民祭
妙見山黒石寺(岩手県奥州市)にて、平成25年2月16日(土)夜から17日(日)早朝にかけて行なわれた「蘇民祭」に今年も行って来ました。黒石寺は天台宗の寺院。

日時:平成25年2月16日(土) 午後10時〜17日(日)早暁(7時頃)
・裸参り(夏参りまたは祈願祭) 午後10時〜
・柴燈木登り 午後11時30分〜
・別当登り 午前2時〜
・鬼子登り 午前4時〜
・蘇民袋争奪戦 午前5時頃〜

OTSnewsでは昨年と同じく前もって申請をしていたため、鬼子登り以降、本堂(薬師堂)上部足場からの俯瞰撮影も実施しています。

午後8時頃の本堂(薬師堂)。人はまばらです。雪は昨年より若干少ない感じ。
本堂(薬師堂)

本堂の手前にある案内所。いろいろとお教えいただきありがとうございました。
案内所

会場配置図。例年と違いはありません。
会場配置図

案内所付近から、各小屋(グループ別にいろいろあります)。参加者の皆さんは祭までの期間「精進」をして備えておられます。
小屋

動画にもありますが、今年は案内所手前の「蘇民食堂」にお邪魔しました。運営は蘇民祭保存協力会青年部が運営しています。いただいたのは、「天ぷらそば」。「精進」対応のためお出汁には魚を使っていないのですが、とてもおいしくいただきました。お漬け物はサービス。その他に、「天ぷらうどん」「きつねそば」「きつねうどん」「おでん」、そしてお酒類。
蘇民食堂

和気あいあいとした「蘇民食堂」のみなさん。香辛料とネギは「精進」の方は使わないでねとのこと。
蘇民食堂

「蘇民食堂」には少し古い蘇民祭の案内板が。
蘇民食堂

「蘇民食堂」では暖もとれます。ここでの出会いもたくさんあるようです。
蘇民食堂

「蘇民食堂」には各種お酒や手作り甘酒もあります。「とらまづ」は岩手銘醸(奥州市前沢区)のどぶろくです。手作り甘酒は人気のようで、売り切れてしまいました。
蘇民食堂

なお、「蘇民食堂」のお客さんの写真は控えさせていただきました。

午後10時になると裸参りが始まります。瑠璃壺川に男衆が降りてきます。親方が川で待っています。今年の裸参りの参加者は昨年よりもかなり多いと感じました。水垢離には多くのギャラリー、取材陣が。OTSnewsでは機材の関係で川の手前から撮影をしています。
裸参り

裸参り

裸参り

裸参り

裸参り

裸参り(夏参り又は祈願祭ともいう)は、瑠璃壺川での水垢離のほか、本堂や妙見堂を巡って、五穀豊穣、災厄消除の祈願をします。瑠璃壺川で叫んでいるのは「蘇民将来」。その他、寺内を巡っているときの掛け声は、「ジャッソー、ジョヤサ」。写真は本堂手前。
裸参り

本堂の裏側(山側)にある、妙見堂に向かっています(案内図にはありません、黒石寺Webサイトを参照してください)。瑠璃壺川、本堂、妙見堂を三巡します。
妙見堂へ

瑠璃壺川を上から見下ろして撮影。
瑠璃壺川を上から

柴燈木登り(ひたきのぼり)が午後11時半から始まります。まずは、井桁状に松の木を組みます。手で組みますのでかなり時間がかかりますが、迫力があります。
柴燈木登り

点火しました。山内節を歌うひとも。
柴燈木登り

柴燈木登りでは、燃えた枝を持って、参道を祓いながら本堂に向かう男達がいます。
柴燈木登り

案内所の方のお話ですと、邪を祓っているとのこと。
柴燈木登り

柴燈木登りが終わってから少し間を置いて、別当登りが午前2時から始まります。別当(住職)や「蘇民袋」が持ち込まれます。写真は本堂へ向かって階段を登ってくる行列。
別当登り

別当登り後、本堂に蘇民袋が供えられ、護摩が焚かれます。護摩が終わるのは午前3時頃。
護摩祈祷

午前4時からの鬼子登りは鬼面を逆さに吊った7歳の男児2人をそれぞれ大人が背負い、たいまつを三回周ります。本堂の外陣に護摩台を置くのですが、護摩より大きな火が焚かれるので迫力満点です。本堂上部の足場から撮影。
鬼子登り

午前5時からは蘇民袋争奪戦。当日に申し込めば、飛び込み参加もできます。本堂外陣と内陣の間の柵にぶら下がる者、ギャラリーと一緒に下で待ち構える者などでいっぱいです。写真が霞んでいるのは先ほど火が焚かれたため。
蘇民袋争奪戦

親方登場。親方が蘇民袋を小刀で切り込みを入れて争奪戦がスタートとなります。蘇民袋の中には小間木が入っていて、時折それらが撒かれます。争奪戦は空になった「袋」の奪い合いです。最後に袋の首の部分を握っていたものが取主(とりぬし)となり表彰されます。および若干名の準取主も表彰されます。
蘇民袋争奪戦

蘇民袋争奪戦

蘇民袋争奪戦

蘇民袋争奪戦

やがて争奪戦は本堂から外へ向かいます。
蘇民袋争奪戦

争奪戦の集団が黒石寺の前を走る国道まで出てきました。この頃から夜明けが始まっています。
蘇民袋争奪戦

争奪戦はとてもハードです。「負傷等その他一切の事故について、黒石寺並びに保存協力会、奥州市は責任を負いません」と注意書きがありました。

今年の取主。副賞は米一俵。共同でインタビュー。
取主

昨年より遅い日程でしたが、土曜日の夜スタートということもあり、特に裸参りは大いに盛り上がりました。千年以上に渡ると言われる奇祭だけのこともあり、最初から最後まで眠くなる余裕なんてありません。なんだか古き良き時代を思い起こすような祭ですよ。蘇民将来は備後国風土記に逸話が書かれているそうですが、なぜ岩手のこの地で盛大な祭が行われるか興味あるところです。

黒石寺蘇民祭の様子は動画でもご覧いただけます。


2013年蘇民祭の動画(約39分)
※テロップに誤字がございます:「順」→「巡」、「保存会」→「保存協力会」。


取材:OTSnews編集部

黒石寺蘇民祭

黒石寺


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