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Report: 「未来の住職塾」が本科を前に公開講座を開催していました


「未来の住職塾」の公開講座会場
「未来の住職塾」の公開講座「未来の住職塾セミナー 〜これからのお寺の必須条件〜」が2月6日(水)、知恩院(京都市東山区)和順会館にて開催されるというので行ってきました。

「未来の住職塾」は、これからのお寺のあり方を学ぶ『お寺の経営塾』で、昨年度から数回にわたる有料講座として開催されています。本公開講座は2013年度の「未来の住職塾」本科に先立ち説明会を兼ねて開催されたものです。運営は『彼岸寺』で知られる一般社団法人お寺の未来。

松本紹圭氏

前半は塾長の松本紹圭氏が担当。やる気ある住職さんが陥る罠、危機感の状態、寺院の運営基盤の変化、使命作りの重要性などが解説されました。

「お寺の『マネジメント=経営』は、お金儲けというわけではありません。辞書を引いてみてください。その本分を全うしていくこと、そのためにどう導いて行くかが『経営』なのです」と松本氏は語ります。昨今「お寺が元気でない」と言われていることに対しても、「日本全体がなんとなく元気が無い状況で、どのように人を元気にすることができるのか、お寺がそこを一生懸命やっていく結果として、お寺も元気になっていく」と明快な考えを持っています。

そして「時代の変化」に対応しなくてはならないと松本氏。「寺院が長い時代を生き抜いてきたのは寺院が柔軟に変わり続けてきたから」であると。これからは、地縁血縁という社会基盤の弱まりと共にカバーできなくなっていく人々との、新しい「縁」作りも重要になってきます。

さらに「非営利組織とは、一人ひとりの人と社会を変える存在である。したがって考えるべきは、ミッション(使命)は何かである」とドラッカーの言葉を引用しつつ、あくまでも「組織は目的ではなく手段」であって、お寺が何をなすべきか、使命は何かということが重要であると述べていました。

井出悦郎氏

後半はプログラム担当ディレクターの井出悦郎氏。まず宗教法人をはじめとした非営利組織の抱える課題と対処について。非営利組織は「理念」が強力過ぎて受け手不在になりがちであることや「計画の実行」においては計画段階から多くの人を巻き込んでゆくべきであること、など各段階について細やかに語られました。

そして寺院という組織の見えない部分を把握する重要性が説明されました。そこで本科においては、希望者に「お寺360度診断」を実施し「無形の価値の可視化」を行うそうです。内部外部の人々を調査をすることで、自坊の立ち位置、つまりどのようなことが良いと思われていて、どのようなことが課題なのかがわかってくるとのこと。

一方で井出氏は「とにかくやってみる」ことも重要であると言います。急激に変化している社会では、やってみること以上の学びは無いと。「最初から壮大なことをせずに、小さく始めて大きく育てる。大きな意図を持ちながらも、小さく小さくやっていくという工夫が求めらる」。実行後は、振り返りが重要で、そこで論理的な考え方や、書物的な知識が活きてくるとのことです。

そして「未来の住職塾」本科の案内。

松本氏は「志を共有する仲間ができる」ことを強調。井出氏は「これだけのクオリティで且つ特定の業界に対して行っているプログラムというのは他にありません」と自らプッシュしていました。

学費は128,000 円(税込)。営利企業の経営者向け研修と比べれば破格の安さだと思います(OTSnews編集部の感想)。

今年度(2013年度)の本科は2月末締切となっています。すでに満杯の会場もあるかもしれません。

ここまでちょうど2時間。かなりの情報量の公開講座でした。受講者のみなさんもたくさんのメモを取っていましたよ。


取材:OTSnews編集部

2013年度『未来の住職塾』本科、募集を開始しました!

彼岸寺


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