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Report: 日本最初の厄除け道場、岡寺の初午大祭に行ってきました
3月10日、『日本最初の厄除け道場』といわれる奈良県明日香村の東光山真珠院龍蓋寺(別名岡寺)で、初午大祭が行われるというので行ってきました。
岡寺の寺号「龍蓋寺」とは、開祖の義淵僧正が、石の蓋で悪龍を池に封じ込めたことから名付けられたもの。龍の厄難を取り除いたことが厄除け信仰のはじまりと言われ、「日本最初の厄除け道場」として知られています。「岡にある寺」で、普段は別名「岡寺」として有名。真言宗豊山派で、西国三十三ヶ所観音霊場の第7番の札所でもあります。
初午大祭に行われる厄除け祈願は、歴史物語の『水鏡』に「厄年の2月の初午の日に岡寺へ行くとよい」と書かれているそうです。現在は旧暦の二月に当たる三月の初午の日に「初午大祭」として厄除け祈願を行っています。
今年は3月10日。8~17時の間に随時厄除けが行なわれるということですが、一番盛り上がるのは午前11時からの「厄除開運護摩供大般若法要」とうことで、それに合わせて行ってきました。
岡山という山の中腹にあるため、岡寺に着くまでにはかなり急な坂を登ります。坂を登りきると、明日香村で唯一重要文化財に指定されている仁王門が見えてきます。
落ち具合が丁度良い朱色の仁王門。吹流しや、特徴的な文様が、カラフルで可愛いですね。「龍の眠る寺」と言われおり、その由縁は本堂前の龍蓋池に、義淵によって善龍にされた龍が眠っているという話から来ているそうです。
仁王門をくぐって登りきると、右手に鐘楼堂が見えてきます。
「厄除鐘」といい、自由につくことができます。自分で鐘をつけるのは嬉しいですね。
厄除け道場だけあって、厄年年齢表も明記されていました。
さらに奥へ進むと、左手に本堂。すでに厄除け祈願を希望する人で賑わっていました。
木造の本堂に、五色の吹流しの鮮やかさが、お堂を引き立たせますね。岡寺は、いたる所に吹流しがあります。本堂の両側には、厄除け絵馬を奉納する場所がありました。
本堂を上がると、左手に賓頭盧尊者。自分の身体の悪い部分を撫でます。
岡寺の本尊は如意輪観音坐像。東大寺の大仏、長谷寺の十一観世音菩薩と並び、日本三大仏の一つ。日本最古の如意輪観音で『塑像(土でできた仏像)』としては日本最大とされています。
高さ4.85mの塑像は、圧巻の迫力!土独特の白っぽい色合いが珍しいですね。どこか無骨そうな表情ですが、塑像のせいか温かみも感じました。一般的な如意輪観音像と違い、右手に施無畏、左手に与願の印を結んで結跏趺坐する姿が大変貴重と言われています。一風変わった大仏を楽しめました。
法要は本堂内で行われます。11時前には、祈祷を申し込んだ人々で満席に。
11時になると、鐘の音とともに僧侶の皆さんが入ってきました。
護摩が焚かれ、まず札に書かれた一人ひとりの名前と年齢、祈願内容が読み上げられます。全て読み終わると、札は護摩の周りに、規則的にくべられていきます。
札が燃え終わると、いよいよ厄除祈願である「大般若経の転読」がはじまります。「転読」とは、経典を両手で広げながら、数行を流し読みしていくこと。大般若経は600巻もありますので、全部読むとなると膨大な時間がかかってしまうワケです。ご住職が先陣をきり、転読スタート。
周りの僧侶も、それぞれ転読を開始します。
近くで見ていると、かなりの迫力。
パラパラと大きく広がる経典に、重なり合うお経の声。力強いパワーを感じました。大きく燃える護摩の火にも、心を洗われるようです。祈祷が終わると、住職から挨拶です。
参拝者が一人ずつ焼香をして、厄除け祈願終了。本堂を出ると、左手に龍が眠るとされる龍蓋池を見ることができました。
奥へ進むと、高台に稲荷神社、十三重塔などがありました。山の高台から眺める本堂も、また表情が変わって見えます。
三重塔の近くにも吹流しがありました。そこからは、明日香村が一望できます。
本堂へと戻る途中には、大師堂があります。弘法大師の幼少期の姿である可愛らしい稚児大師は、子供の身体健全を祈って、撫でることができます。
初午の日にのみ授与されるのが「杉葉守り」です。
「厄難が“すぎ”去る」ことから、厄除けのお守りに杉の葉が良いのだとか。岡寺の杉は霊力が高いとされています。一つ1,000円で販売されており、杉の葉にお守り、絵馬、吹流し、札がついていました。
今年は辰年ということもあり、厄除け・金運・招福・来迎など龍のお守りグッズも豊富。
龍の起き上がりこぶし守りとは、珍しいですね。コロンとしていて可愛いです。
厄除けだけでなく、辰年のお守りを求めにお参りをするのもお勧めです。
取材:宮野茉莉子
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