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Report: 黒石寺の蘇民祭に行って来ました2014(動画あり)
妙見山黒石寺(岩手県奥州市)にて、平成26年2月6日(木)夜から7日(金)早朝にかけて行なわれた「蘇民祭」に行って来ました。気象庁「アメダス江刺」の最低気温は氷点下4.8度となっていましたが、黒石寺は山間部のため、もう少し低かったのではないでしょうか。なお、黒石寺は天台宗の寺院です。
日時:平成26年2月6日(木)午後10時〜7日(金)早暁(7時頃)
・裸参り(夏参りまたは祈願祭) 午後10時〜
・柴燈木登り 午後11時30分〜
・別当登り 午前2時〜
・鬼子登り 午前4時〜
・蘇民袋争奪戦 午前5時頃〜
OTSnewsでは例年どおり、鬼子登り以降、薬師堂(本堂)上部足場からの俯瞰撮影も実施しています。
6日午後2時頃の最寄り駅「水沢江刺」。例年より雪が多めです。
黒石寺まで車で15分ほどです。駅から臨時バスも出ていますが、残念ながら本数はわずかです。
こちらのお店「東光庵」で喫茶、お食事が。蘇民祭の夜は朝まで営業しています。もちろん暖房あり。
藁の建物は蘇民祭のために建てられた精進小屋(おこもり小屋)です。
薬師堂(本堂)正面。
薬師如来の文字。
薬師堂外陣には蘇民祭のポスター。
鰐口。
正面右手から内陣に出入りするようになっています。別当登り、鬼子登りでも使用されます。
上部に足場が。こちらは正面左手。
こちらは正面右手の足場。
山内節の歌詞が掲げられています。山内節は柴燈木登り(ひたきのぼり)で歌われます。
刀は妙見信仰のためでしょうか。
黒石寺の説明看板。
薬師堂の左側から妙見堂に行く階段があります。
妙見堂に向かわずに左に行くと、三宝殿(収蔵庫)があります。蘇民祭の時期にはここが公開されています(昼間のみ)。
三宝殿の説明。
さらに西のほうへ行くと釈迦観音堂があります。
残念ながら中は見えません。
妙見堂へ登る階段の手前に石仏が並んでいますが、これは三十三観音だそうです。
妙見堂に登ってみました。
鰐口ではなく鈴ですね。
薬師堂の右側にある、鐘楼堂。二階建てになっており、一階は警備本部として使われます。鐘楼は蘇民祭の中でも節目に突かれることになっています。
鐘楼堂の裏側は寺務所です。その入口。蘇民祭での行列はここから出発します。
中は広くなっています。ここのお立ち木が置かれ、窯場で薬湯が炊かれていました。
お立ち木とはこのようなもの。門松のようなものだと教えていただきました。
お立ち木の上部にや北方に向けた弓と矢が据え付けられています。
薬湯(やくとう)は一週間前から炊かれているそうです。蘇民祭が終わるまでいつでも薬湯がいただけますよ。
「熱々のお湯」なのですが、これをいただくと一年間無病息災とのことです。お椀をお借りしていただきます。
薬湯はフーフー吹かずにいただくのがルールです。これはとても身体が温まります。お湯がこんなにおいしいとは。
薬湯の窯場の奥には水垢離場があります。水垢離の様子は撮影禁止です。
さて、薬師堂の手前にある蘇民食堂(こちらは「東光庵」と異なり仮設です)で、石焼いもが売られていました。石焼いも機をいただいたそうで今年初登場です。とてもおいしい焼きいもです。
夜になりました。このあと裸参りが始まります。境内の様子も見てみましょう。写真は蘇民食堂(左)と青年部の小屋(右)。正面は薬師堂。
蘇民食堂付近から見下ろす入口側。突き当たりの下に裸参りで水をかぶる瑠璃壺川(山内川)があります。今年は残念ながら(笑)凍っていませんでした。水量が多く流れが速かったためと思われます。
露天ですが、今年はタコ抜きタコ焼きの店がありませんでした(精進のため動物系はダメ)。綿菓子、チュロス、回転焼き、チョコバナナなど。
薬師堂。まだ夜8時過ぎなので人はまばらです。
立ち並ぶ精進小屋と妙見堂。
寺務所近くの精進小屋。
蘇民食堂で手作り甘酒をいただきました。100円です。昨年は売り切れていたのでリベンジ。
精進小屋の中。最も小さな部屋がコレ。報道機関向けにご用意いただきました。あとで奥州市広報の方におでんをいただきました。美味しかったデス。
午後10時から裸参りが始まりました。五穀豊穣、災厄消除の祈願です。
妙見堂に登る裸参りの行列。
午後11時半、柴燈木登りの「柴燈木」を積みます。これは松の木です。
火をつけて人が乗ります。
薬師堂へ、火のついた木を持って浄め登って行きます。
柴燈木登りが終わり、松の木が燃えています。奥に見えるのは薬師堂。
薬師堂側からの風景。
記者は蘇民食堂でしばし休憩。てんぷら蕎麦をいただきました。精進のため、天ぷらは植物のみです。
お漬け物は取り放題です。超絶にうまい!
日が変わって午前2時、別当登りがあって、その後に御祈祷が始まります。薬師堂の中では護摩が焚かれています。
午前4時、薬師堂外陣の足場に上がり、鬼子登りの写真を撮影。鬼子のお子さんは7歳の男児。
ジャッソー、ジョヤサの声が堂内に響いています。なお、足場に上がれるのは事前申請した報道陣のみです。
鬼子の松明を待っています。黄色い手ぬぐいは親方衆。
僧侶が出て来て場を浄めます。
松明がやってきました。鬼子を背負ったまま三回まわります。煙が立ちこめてきました。
いよいよ蘇民袋争奪戦です。親方が蘇民袋にナイフを入れて開始されるのですが、このあとライトやフラッシュが禁止になります。
蘇民袋争奪戦が始まりました。
集団が薬師堂の外に流れて行きます。
道路でもみ合いが続きます。
道路脇の田んぼになだれ込みました。
いよいよ争奪戦の決着です。。
すっかり夜が明けました。積もりたての雪が綺麗な薬師堂付近。
争奪戦の優勝者「取主」。共同インタビューです。
最後は胴上げ。
今年は平日だったこともあり、一般参加者は若干少ないものの、相変わらず大いに盛り上がったお祭りでした。黒石寺蘇民祭では「蘇民将来」や「妙見信仰」など、仏教的なこと以外にスポットが当たっていますが、護摩が焚かれたり、お経が読まれたりしますので、「お寺に来た」感も同時に味わえます。しかしながら、それらよりも地域の風習を守っている人々の姿こそが見所だと思いますので、もし見学に行かれるのであれば、裸参りなど派手な部分だけでなく、祭のディテールや人々の姿や会話も大いに楽しんでいただければと思います。
黒石寺蘇民祭の様子は動画も用意しております。
2014年黒石寺蘇民祭の動画(約43分)
※動画の途中、人物が居ないところは環境音のみですので音量が低くなっています。BGMなどはございません。
取材:OTSnews編集部
黒石寺蘇民祭
http://kokusekiji.e-tera.jp/sominsai.html
黒石寺(こくせきじ)
http://kokusekiji.e-tera.jp/
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