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Report: 池上本門寺の春まつりに行ってきました
日蓮宗 大本山池上本門寺(東京都大田区)では4月7日と8日に春まつりが開催されると知り、桜も咲いたらしいので8日に行ってみることにしました。上の写真は総門を入って左手、理境院門前の桜です。
ご存知の方がほとんでしょうが、4月8日は釈迦の誕生を祝う「潅仏会(かんぶつえ)」があちこちのお寺で催されます。釈迦誕生時の姿の仏像に小さなひしゃくで甘茶(あまちゃ)をかけることで知られており、花の季節であることから宗派を問わず「花まつり」とも呼ばれているようです。
当日は晴天に恵まれ、10時過ぎに池上駅に到着。人の流れに合わせてまだ静かな商店街をしばらく歩くと、なにやら難しい漢字が彫ってある石碑が見えてきました。実は有名なお寺なのに訪問するのは初めてなのです。
橋を渡ると総門に着きました。
ちなみに境内マップは池上本門寺のサイトにあります。
http://honmonji.jp/01what/02keidai/keidai_index.html
初めて訪れるお寺に期待満々です!
桜がみごとに咲いています。ここ数日肌寒い日が続いたためまだ満開にはなっていないようです。午前10時30分頃、まだ人出はそれほど多くありません。
加藤清正が寄進したと伝えられる此経難持坂(しきょうなんじざか)の石段です。
石段を上りきると屋台が並んでいました。まだ人がまばらです。正面が仁王門です。
仁王門の手前右手には長栄堂(ちょうえいどう)があり、大黒天祭という文字が目に入りました。鳥居が手前にあるのが、見た目としてちょっと驚き。
仁王門をくぐると左手にも御堂があったので寄り道します。眼病のご利益があると説明されている日朝堂(にっちょうどう)です。お堂左手には水かけ観音がひっそりとありました。水をかけてタワシで磨きます。釈迦誕生仏ではありませんよ。
こちらが、日朝堂。最近、目がしょぼしょぼしている筆者は願をかけてお線香をあげました。
日朝堂の右隣にはりっぱな鐘楼があり、桜とのコラボがステキです。
仁王門右手にはお茶会の赤い毛氈と傘が鮮やか。なかなか大堂へたどり着けません。
さていよいよ大堂へ。右手では甘茶をふるまっているようです。まずは先にお参りを。
花まつりのお決まり、甘茶のお持ち帰り用が販売されていました。
大堂です。大きくてどっしりとしていますね。
皆さん並んで参詣の順番を待っています。まだ釈迦生誕像は見えません。どうやらお堂の中にあるようです。
とはいえ、さほど待たずに参拝できそうです。
大堂の左には霊宝殿がありました。ペットもいっしょにお散歩です。
こじんまりしたお堂の中には黒くてつるつるした釈迦生誕像が。筆者が知っている細くて小さい生誕像とは全く違う、頭の大きな赤ん坊が直立したような釈迦像が甘茶に濡れて黒光りしていました(堂内撮影禁止のため写真なし)。筆者も甘茶をたっぷりかけてお参りしました。
いよいよ甘茶をいただきます。大堂の右手で甘茶がふるまわれていました。
甘茶というのは、自然の甘みが独特なお茶です。たくさん用意されているようでした。
午後1時からのパレードがあるのですが、それまで時間があるので、お花見をしました。
大堂の右手から桜広場に下りて行くと出店のテントが並んでいました。昨年被災した東北からの出店もありました。珍しいクジラの大和煮缶詰めです。津波で流された缶詰めは昨日で完売したそうで、これは新しく製造されたものだと説明してくれました。
筆者は大和煮を子どもの頃食べてそのおいしさを知っていますが、節約中なので買えません(トホホ)。
広場の真ん中にはお花見の皆さんがゴザに座ってほろ良い気分のようです。
まだお昼前なので、筆者は五重塔へ行ってみることにします。塔の前ではおみやげとお守りが販売されていました。
題目が浮かび出る線香です。
これが五重塔の特別御守です。塔の形をした木製のお守りです。
五重塔御開帳です。五重塔というものが開いているのを筆者は初めて見ました。中は煌びやかな黄金色に輝いています。外側には生花が飾られてとても綺麗です。五重塔まつり本番は昨日でした。
平和祈願なのですね。
人の流れの方向を見るとみごとな桜。傍らには「力道山の墓」の案内板。
力道山の墓へ向かう途中、見たこともないような大きなお墓がたくさん並んでいました。後で知ったことによると、紀州徳川家奥方の墓をはじめ、境内には大名家墓所がたくさん残っているそうです。どうりで立派なはずです。
懐かしい気がするのはテレビで力道山を見たことがあるからでしょうか。
そろそろお腹が空いてきたので桜広場に戻ります。
ここから見ると大堂が桜の木にすっぽり隠れています。
何を食べようか一通りテントを巡って見ていると、可愛らしいピンクのチューリップと日蓮聖人の塗り絵が販売されていました。春らしい花が並ぶテントや地酒のおみやげもありました。
こちらのお酒、2本で「池上本門寺」となるようです。
いろいろ飲み食いしたのですが、残念ながら写真がほとんどありません。唯一の写真はワッフルセット、本格ドリップコーヒーとのお得なセット。実は、インドカレー屋のチキンと野菜を巻いたナンロール200円、揚げたこ焼き300円(粉物ばかりですね)もいただきました。いろいろなお店があって楽しいです。
お腹もいっぱいになり、人が増えてきて座る場所もなく、まもなく始まるパレードを見に向かいます。大堂に戻り、ついでに左手の経蔵を拝見。パレードは池上商店街から出発するそうです。
大堂にはけっこう人が増えてきました。
経蔵は重厚な雰囲気です。
大堂側から見る仁王門と桜。昼時なので人出は桜広場へながれているようです。
仁王門の傍らでひとり働く小僧さんをみつけました。桜が散る頃はさぞ大変でしょうね。
一旦お寺を出て商店街へ向かいます。坂を下りる前に日蓮聖人像を発見しました。桜の大木を背に堂々として迫力があります。
商店街を歩いていると、胡麻のお店を発見。のぞいてみると「ごまおはぎ」がありました。中には小豆餡が入っていて、外側は金胡麻と黒胡麻がたっぷりです。セットのナイフで切って食べる細長い珍しいおはぎです。
誘惑に負けておみやげに購入。筆者としてはヒットのおいしさでした。
名物の葛餅屋さんが2軒並ぶ通りでパレードが待機していました。後で知ったことですが、池上朗子と呼ばれる朗子クラブ(仏教思想をベースとして地域の青少年の健全な育成をはかろうとする青少年活動で、鼓笛隊、野球部、ボーイスカウト他スポーツクラブがあるそうです)の子供たちのパレードだったようです。
あれれ、交通安全パレードですか?お坊さんも幕を持っていますね。
鼓笛隊の音とお寺の旗が近付いてきました。
可愛らしい鼓笛隊の先頭です。
ジャージ姿の少年少女が歩いて行きました。
見逃してしまいそうな、小さな花の精たちです。
これで終了か?と思っていたら白像登場!釈迦の花御堂が乗っかっています。
白像といっしょにお寺に戻ります。パレードの子供たちは既に石段を上りきって本殿へ向かっているようです。人も増えたみたいですね。
息を切らせて石段を上がると、五重塔方面に人だかりが見えました。慌てて行ってみると、まさに法要が終了したところ。お坊さんが立ち上がってしまいました。
がっかりしていると、五重塔の解説が始まりました。お坊さんがニコニコと嬉しそうに自慢の五重塔をわかりやすく説明してくれました。
年に2日間だけ特別開帳が行われる五重塔は、関東現存の最古の五重塔だそうです。江戸幕府二代将軍徳川秀忠が疱瘡にかかり、その快復祈願をした乳母岡部局の願いで秀忠が寄進したと伝えられています。
予定の書いてあるチラシを見ると、14:00から花まつり法要が予定されています。急ぎ足で本殿へ向かうと、さきほどの白像が到着していました。
本殿の入り口です。
ここが本殿ですが、この横に並んでいるオープンカーが気になります。
本殿内ではすでに法要が始まっています。仕切りがあって奥のほうの様子がよく見えません。パレードに参加した子供たちが集まっているようです。
本殿にも花御堂に安置された釈迦生誕像がありました。こちらは見慣れている小さな釈迦誕生仏です。右手は天を、左手は地を指しているそうです。甘茶をかけるのは、釈迦が生まれたときの産湯のために竜が天から甘露を注いだことが由来だそうですね。
夕方が近付き、風が少し肌寒くなってきました。花見と参拝の人はドンドン増えてきたようですが、筆者は下界へ降りることにします。
名残惜しい桜。仁王門前。
総門手前の小ぶりの枝垂桜。カメラマンの一番人気でした。
取材:熊谷風実花
末木 文美士
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