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Report: 黒石寺の蘇民祭に行って来ました2015(動画あり)


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妙見山黒石寺(岩手県奥州市)にて、平成27年2月25日(水)夜から26日(木)早朝にかけて行なわれた「蘇民祭」に今年も行って来ました。26日の気象庁「アメダス江刺」の最低気温は氷点下5.5度となっていますが、黒石寺は山間部ですから、もっと低かったことでしょう。

連日の暖かさのためか、今回は雪がほとんどなかったのが残念ですが、このようなケースはここ数年なく、貴重な年になったようです。

蘇民祭は厄災消除・無病息災・家内安全・五穀豊穣を祈願するもので、黒石寺に限らず全国各地で行われているのですが、岩手県の場合は国指定無形民俗文化財となっています。黒石寺の場合は蘇民将来の護符を奪い合う形態をとっており、一千年以上の歴史を持つとのこと。毎年旧正月七日の夜から古式通りに実施されています。

なお、山内の三宝殿(収蔵庫)では例年、本尊薬師如来坐像が公開されているのですが、今年は東京国立博物館に出陳中で見る事ができません。

日時:平成27年2月25日(水)午後10時〜26日(木)早暁(7時頃)
・裸参り(夏参りまたは祈願祭) 午後10時〜
・柴燈木登り(ひたきのぼり) 午後11時30分〜
・別当登り(べっとうのぼり) 午前2時〜
・鬼子登り 午前4時〜
・蘇民袋争奪戦 午前5時頃〜

OTSnewsでは鬼子登り以降、これまでとは異なり、薬師堂(本堂)上部足場からの俯瞰撮影を行わず、参加者と同じ場所から撮影に挑んでいます。テストを兼ねて4Kカメラによる収録をしています(視聴環境により高画質に見られます)。

東北新幹線「水沢江刺」の駅前。実は黒石寺蘇民祭には新幹線で裸参りや争奪戦に参加する常連が、何人かおられます。
水沢江刺

レンタカーを使用して黒石寺に到着しました。
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こちらは入口にあるお店「東光庵」。例年どおりならば終夜営業となるようです。
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瑠璃壺川(山内川)を下見します。こちらで裸参りが行われます。
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今年も昨年に続き川が凍っていません。いつもならこのあたりは雪で真っ白ですが、今年は残雪すらありません。暖冬というのもありますが、日程が2月下旬だったというのもあるでしょうね。
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本堂(薬師堂)へ続く参道へ向かいます。入口にはお店がスタンバイ。その奥には精進小屋があります。階段の上にも精進小屋、そして各お堂。
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階段を登って見下ろしてみました。天気も穏やかです。
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本堂。
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本堂から右へ向かうと、土壁を経て庫裡の入口があります。
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庫裡に入ると中庭があります。まずはお立ち木があります。
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お立ち木には北方に向けた弓と矢が据え付けられています。妙見信仰と関係があるものと思われます。
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暗闇の中、この正面の建物から行列が出発します。また、建物右端では薬湯(やくとう)が焚かれています。
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左側には寺務所があります。
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今年も薬湯をいただきに参りました。
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釜で焚かれています。
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沸騰していますよ。
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お椀と柄杓でいただきます。フーフーしちゃだめとのこと。体が温まりました。
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さらにこの奥には、水垢離場があります。
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水垢離場。本番では撮影禁止できません。
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本堂前に戻って来ました。写真は本堂右手にある鐘楼堂。1階は警備本部になっていますが、2階の鐘楼は祭本番でも使用されます。ブルーシートがかかっているのは精進小屋。ここで参加者の休憩や着替えがなされます。
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反対側の精進小屋。右下に用意されている材木は柴燈木登りで使用されます。
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本堂左奥にある妙見堂を訪ねてみます。こちらは裸参りの行列が回って来る場所でもあります(残念ながら今年はその様子を撮影できませんでした)。
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妙見堂正面。
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さて、日が暮れて、あらためて、お寺の入口から入ります。
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夜の精進小屋。中は電灯が灯っています。また、囲炉裏のように炭が焚かれていて暖房となっています。精進小屋は各グループ毎に用意されていますが、個人参加の方も利用できる場所もあります。小さいけど報道陣向けもありますよ。
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参道に御札所が建てられていました。新築です。
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お寺の授与品がここで買えるようになっています。
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今年は観光客が少し多めの様子でした。
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黒石寺蘇民祭は裸参りから始まります。カメラマンが瑠璃壺川の近くに集結しています。川の反対側が撮影のベストポジションなのですが、OTSnewsでは装備の関係で川を渡れません。いずれはチャレンジしたいところです。
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遠くから男達の声が聞こえてきます。裸参りが始まりました。
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角灯を持った行列が美しいです。行列の先頭は世話人の方々のようですね。C0032104907003

裸参り。最初の一人が瑠璃壺川に入りました。黒石寺蘇民祭の掛け声は「ジャッソー・ジョヤサ」。裸参りでは「蘇民将来」と叫ぶこともあります。
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つぎつぎと下帯姿の男衆が入ってきます。
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裸参りは3巡します。2巡目。
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3巡目。
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妙見堂から本堂に戻って来る裸参りの行列。
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裸参りが終わると30分程のインターバルを経て、柴燈木登りが始まります。鐘楼堂で鐘が鳴り、庫裡から魔を祓う動作をする者、たち切り(二人の男が互に刀で切り結ぶ動作をする)、法螺貝、太鼓、焚きつけや柴を持った人たちを先頭に行列がやってきます。
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本堂前で柴燈木(境内の山中から採られた生松木)を使って、井桁積みの作業をします。写真は作業前のお祓いの様子。
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作業が始まりました。
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井桁積みが終わるまで1時間近くかかります。
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点火されました。この柴燈木登りは、修験道での柴燈護摩と考えられているそうです。
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「ジャッソー・ジョヤサ」の掛け声と山内節(やまうちぶし)。柴燈木登りでは、柴燈木に登るだけではなく、男達はそこから抜き出した長めの木の枝を地面近くに振りながら(払う動作)本堂に向かいます。階段の上では親方が待っており、その動きを認められた者に限り本堂に達することができます。
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柴燈木登りのあとは、別当登りです。鐘の音が鳴った頃に庫裡のほうを訪ねてみました。すると暗闇の中、行列の出発を促すメンバーが扉を叩いています。そこに「まだまだまだー!」という親方の声が。黒石寺蘇民祭では親方の「まだまだまだー!」という場面が随所に見られます。
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扉が開けられました。
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行列が始まります。
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庫裡の前の行列の様子。屈んでいるのは手木で祓っています。写真奥ではたち切りをしていますね。
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別当登りでは別当(住職)と蘇民袋が本堂に向かいます。行列には別当の姿が。
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別当の直後には蘇民袋が。
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行列は本堂へ。
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別当登りのあとは、内陣に蘇民袋が置かれ、護摩が焚かれます。護摩には少し時間を要します。内陣の撮影にはフラッシュやライトは禁止です。
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午前4時の鬼子登りの前に蘇民食堂を訪問しました。
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いろいろメニューがありますが、全て精進仕様です。
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今年は天ぷらそばを注文しました。とても美味しいデス。
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焼きいもをサービスしていただきました。こちらも美味しかった!
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鬼子登りと蘇民袋争奪戦は連続で実施されますが、その前に本堂上部に報道陣がよじ登ります。今回OTSnewsでは初めて「地上」から取材のため、こちらは見送り。
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鬼子登りの行列の様子です。数えで七歳の男児が二人、鬼面を逆さに背負っています。それ以外は他の行列の様子と同じ。たち切りもしていますよ。
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本堂では男衆の何人かがよじ登っています。「ジャッソー・ジョヤサ」の声が響いています。
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本堂内陣から僧侶が出てきました。場を浄めます。
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男衆が増えてきました。親方達は荒っぽいです。恐らくそのように演じているのでしょう。
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松明が現れました。
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鬼子を背負って松明を回ります。
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そして蘇民袋争奪戦が始まります。灯りを消して暗闇の中、親方が蘇民袋を小刀で裂きます。中からは小間木がこぼれ落ちるのですが、それらを拾ってお守にするのもいます。ですが、争奪戦は蘇民袋の袋自体を奪い合うものです。
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見学者もくちゃくちゃになりながら、男衆は外に流れ出ます。
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寺の外まで出てきました。
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道路出ると車に注意しながら進んでいます。もちろん、蘇民袋の奪い合いの最中ですよ。
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そして、最終地点に辿り着く頃には辺りが明るくなっていました。
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いつもなら、雪があるのですが、今年は転ぶと痛かったのではないでしょうか。
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最後の奪い合い。そして親方が判定。「取主(とりぬし)」、「準取主」が決まります。
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判定が終わると、一旦お開きで、黒石寺に向かいます。このあと鐘楼堂で表彰式があります。取主と準取主には賞状と副賞が貰えます。
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今年の取主は石川さん。実はこの方、昨年度の取主でもあります。凄いですね、2年連続です。最初から狙っていたとか。といっても長年の参加者でもあるそうです。2014年のレポートを見てください。
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黒石寺蘇民祭の取材は動画に力を入れています。昨年の倍程度の尺になっています。動画右下のYouTubeボタンを押すとYouTube画面を開いてみる事ができます。画質はそちらで変更できますので、パソコン環境の良い方は是非4K画質でご覧ください。

2015年黒石寺蘇民祭の動画(約82分)
※解説のテロップはありませんので、記事の説明を参考にしてください。

取材:OTSnews編集部


黒石寺蘇民祭
http://kokusekiji.e-tera.jp/sominsai.html

黒石寺(こくせきじ)
http://kokusekiji.e-tera.jp/


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