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Report: 11月7日、東京にてダライ・ラマ14世の記者会見 2


ダライ・ラマ14世
11月7日の自由報道協会主催「ダライ・ラマ法王14世 来日記者会見」の質疑応答です。

ビオ・デミリア氏
自由報道協会 ビオ・デミリア氏「今回は東北の被災地、津波や地震に遭われた地域を訪問いただいたとお伺いしております。法王は原子力エネルギーについて賛成するとおっしゃっていますが、しかし訪問された仙台や石巻については、復興のために人々が懸命に希望を持って働く姿が見られましたでしょうが、福島では未だに不安と絶望の中に生きています。たとえば、ここにありますのが、福島の第一原発の20km以内の立入禁止区域で撮られた写真なのですが、見捨てられた家畜達が、飢えで死んで行きました。確かに、福島の事故によってまだ直接の死者は出ていないのでしょうが、このような多くの動物は命を落としています。人間には幸せに生きる権利があると思います。その中には、やはり放射能に侵されれないで生きる権利もあるのではないかと思うのですが、宗教的なリーダーとして、また人権の保護者として、いかがでしょうか。」

ダライ・ラマ「常にモノをみるときは全体を見なさいということです。何かを決める時でも一面だけをみても駄目なのです。原子力についても同じ事が言えます。例えば、破壊的目的で使うものにおいては、やはり破壊的なものしか生まないということです。私は日本に来た最初、あるいは二度目に広島を訪問しました。そして原爆が投下された建物の跡も見ております。別の機会では原爆資料館も訪問しましした。未だに記憶にあるのが、被爆をした方の時計でしょうか、10時のところでちょうど止まっていて、そして焼け溶けた状態で展示されていました。また束になった糸が溶けてしまい、ひとつになってしまっているものもありました。また被爆者の声もききました。」

ダライ・ラマ「原子力というのものが、そのような兵器として使われるというのは望ましい状態ではないと思います。しかし、原子力が平和目的で使われるのであれば別の問題だと思います。原子力発電の代替案があるのなら、それもいいでしょう。水力ダムを作るというのもあると思います。しかし、これも自然に対しては何らかの破壊、悪影響が及ばされます。風力エネルギー、太陽エネルギーというのもありますが、まだ十分ではないかもしれない。」

ダライ・ラマ14世
ダライ・ラマ「ここでいう十分というのは、単に日本や先進国で十分というだけでなく、これから発展を遂げなくてはならない国々にとっても十分でなくてはならないと思います。そうでなければ、貧富の差というものがますます広がることになります。私達はそれらを含めて方策を考えて行く必要があると思います。」

ダライ・ラマ「最終的な意思決定というのは、専門家の方々がもっと全体的に広い角度からこの問題を捉えて最大限の注意をもって結論を出されるべきだと思います。物事を成す時には、99%の安全性を考えていただきたいと思います。しかし、いくら安全に配慮しても、やはりどこか1%の危険というものは残ります。100%安全とは言えないと思うのです。たとえば車を運転していても、1%の危険はどこかにあるでしょう。おいしいお食事をいただいている時も、どこかにリスクがあるかもしれません。私達が集まっているこの会場でさえも、リスクがないとは言い切れないでしょう。万全を期して行なう事が重要だと思います。」

ダライ・ラマ「たとえば、チェルノブイリの事故。設備も古く、そして十分な注意がなされていなかったために、大きな問題になりました。もしかすると今回の福島の原発も、そこまでの津波を予想されていなかったために、こういう状況が生じてしまったのかもしれません。」

ダライ・ラマ「大切なのは常に安全策を最大限に考えるということ、そして、それに基づいて物事がなされるのであれば、それでよいのではないかと思います。あるいは皆さんが、原子力がいらないと決めるのであれば、それもそれでよいと思います。」

フリー記者S氏「チベットは正義と人権のために、多くの苦難の道を歩いてきましたが、そしてパレスチナもチベットと同じような状況で63年から正義と自由のために、戦って来ました。しかし、国連には入ることができず、ユネスコはその加盟を認めました。これをどう思われますか?」

ダライ・ラマ14世
ダライ・ラマ「あまりにも大きな問題なので、またあまりにも大きな力が関わっているので、今回はコメントひかえさせていただきます。」

ニコニコ動画N氏「チベット、中東だけでなく、欧米や日本でも政府に対する抗議活動、デモが激化しております。理由や規模はそれぞれですが、民衆が政府に対して強い不信感や怒りを感じていることは明らかです。こうした世界的なうねりは、今後どうなっていくとお考えでしょうか。政府と民衆との対立を克服するためには何が必要でしょうか。」

ダライ・ラマ「いまは道徳的な考え方が欠如した世の中になっています。そういったシステムそのものに問題があるということです。また、道徳や倫理の誤用が見られます。そのために政治に関しても、やはりどうしても汚れた政治になってしまいがちです。」

ダライ・ラマ「確かに政治というのは問題を解決するひとつの方策です。しかし、その政治を行なう政治家の心が倫理を持たない、あるいは道徳心を持たない心であれば、そこで現れる政治は汚れた政治になってしまいます。」

ダライ・ラマ14世
ダライ・ラマ「宗教でも同じことが言えるます。たとえば、道徳的観点を持たない、倫理を持たない宗教であれば、または宗教家がそういう状況であれば、宗教も同じ様に汚れた宗教になってしまいます。だからこそ、我々はすべての努力をかけて、この倫理や道徳感というものを押し進めていかなくてはなりません。これは宗教的な考え方を通してというだけではなく、一般の方が持っている良識を通して行なうことができるのと思います。良識や信頼を打ち取ること、正直である事、そういったものが、友情をはぐくみ、そしてまた、それによる暖かい雰囲気というものが人を幸せにするのです。」

ダライ・ラマ「いくら人々が金持ちになり、よいものを着ていても、そこに良識が無かったり、道徳心がなければ、決してその人は、幸せにはなれないと思います。信頼できる社会を作って行く事が大切で、億万長者になっていても、自分だけが億万長者になっているようでは、決して幸せにはなれないということです。」

ダライ・ラマ「特に最近においては、貧富の差が大きくなって来ています。この格差が大きくなっている状態を何とか小さくして欲しいと、私はアメリカでも話をしました。アメリカでは億万長者が、さらに億万長者になり、そしてまた貧困層の方々は、あくまでも貧しい生活をし続けています。格差がひろがっているという状況です。なんとかこのギャップを小さくしてくださいという話をアメリカでいたしました。同じ事が、アフリカ、南米、アジアの一部の国々でも起こっていると思います。」

ダライ・ラマ「先日、インドで、ガンジー派の方がある運動を行ないました。確かにこれは大きなものではありませんでしたが、しかしやはり国の腐敗をなんとかしたいという気持ち、こういうものに、もっと皆さんは目を向けるべきだと思います。中国でも政治的腐敗が見られます。ところが、残念ながら中国では一般の方々が声を挙げることができない状況にあります。他所の国のこととお考えでしょうが、これは皆さんにも責任があるのです。皆さんも例外ではないということです。だからこそ皆さんも責任を持って役割を果たしていただき、そして、よりクリーンな世の中を作ることに貢献していただきたいと思います。」

元放送局T氏「昨年9月に発生した尖閣諸島沖の事件について、政府が映像公開をしなかったところ、2ヶ月後に一介の海上保安官がYouTubeに映像をアップしました。感想があれば。」

ダライ・ラマ「日本の問題ですね。」(場内爆笑)

つづく

OTSnews編集部

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