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Report: 石川県の那谷寺で紅葉を見てきました
高野山真言宗 別格本山那谷寺(石川県小松市)の紅葉を11月8日に観に行ってきました。駐車場が無料というのが嬉しいところですが、電車からは加賀周遊バス『キャンバス』の利用が便利です。天気は薄曇りでした。
那谷寺は白山信仰の寺で、泰澄法師によって養老元年に開創されました。中興は花山法皇。山号は自生山、白山三箇寺のひとつ。本尊は十一面千手観音。かつては自生山岩屋寺と名付けられていたそうです。
駐車場には観光バスが停まっています。写っている建物は花山亭。お土産やお食事のお店です。路線バスを待つお客さんも多く、結構流行っていましたよ。
駐車場には戦争刑死者慰霊碑(右側)など。
「なたちゃん」。
山門前の拝観受付(チケット売場)。近くには2軒の屋台も出ていました。
書院、名勝指定園、琉美園、普門閣を拝観するには「特別拝観」を選ぶ必要があります。写真には出ていませんが「お抹茶付き拝観」のセットもありました。この付近はWi-Fiのフリースポットでもあるようです。
特別拝観のチケット付きパンフレット。パンフレットには那谷寺のことが詳しく書かれています。
入山者心得。
由来。
チケットを購入後、山門をくぐります。特にモギリはありません。平成29年には1300年祭があることを予告しています。
本日はボランティアガイドのある日だそうです。こういうのがあると嬉しいですね。左は護美小僧。「自らのゴミは自らの手で」。
山門を入ってすぐのあたり。美しい庭園ですが、このあたりはまだ紅葉が早いですね。ここに限らず機械類が目立つのがちょっと残念かも。
まずは金堂華王殿へ。中には十一面千手観音、白山曼荼羅、泰澄神融禅師、中興花山法皇が安置されています。那谷寺の年中仏事はここで行われるそうです。大般若転読法要もここです。祈祷はここのほか、本殿でも行われます。この金堂は650年前に消失したものを平成2年に再び建立したものだそうです。
金堂華王殿の入口近くは美しく紅葉していました。
金堂華王殿の入口。すぐに巨大な十一面千手観音があります。ここからは撮影できません。
金堂華王殿の中から特別拝観に向かいます。まずは、庫裡書院(重要文化財)。加賀藩主前田利常公により再建されたもの。ここもこの先は撮影できません。
そして、名勝指定園に向かいます。
名勝指定園から書院を見るとこんな感じ。実はこの前方の庭も美しいそうですが、順路上、拝観できるようにはなっていませんでした。
名勝指定園から先に進みます。金堂の裏側も見えました。
名勝指定園に隣接して琉美園と呼ばれるエリアがあります。大岸壁が迫力ありますね。下にある池には三尊石と名付けられている岩があります。
さらに進むと茶室「了了庵」があります。入口は休憩所になっています。障子がまた新しいので使われることもあるのでしょう。
琉美園の手前に怪しげな洞窟の入口が。普門閣隧道です。
隧道内部には水子供養堂があります。観光客は入れません。
進むと出口。金堂華王殿に戻ります。
次に普門閣へ向かいます。こちらは白山麓春木家を移築したものだそうです。中は土産物店、宝物館。喫茶もあります。名物の護摩豆腐も売られています。近くのイチョウが見頃でした。
普門閣をあとに少し戻り、奇岩遊仙境に向かって参道を進みます。参道周辺は美しい苔の生えた林になっています。前田利常公が植樹したものとのこと。
参道を抜けると紅葉があちこちに見えてきました。奇岩遊仙境もすぐ近くです。
これが奇岩遊仙境全景。太古の噴火の跡と伝えられています。というか、危ない所に登っていますね。
奇岩遊仙境は後ほどということで、その横にある本殿に向かいます。写真前方は唐門(重要文化財)。
チラ見すると、奇岩遊仙境は危険ということです。
唐門をくぐると、不動明王がお迎え。ここで観音霊水というスピリチュアルウォーターが飲めます。
階段!紅葉はチラホラ。
奇岩遊仙境側を見ると、岩の間に仏像が見えます(ここはお地蔵さん)。
大悲閣拝殿(重要文化財)です。この奥に本殿(重要文化財)があります。左の階段から上がります。
この上にも何かありそうですね。
大悲閣拝殿と本殿は一体化されいて、ここを「胎内くぐり」とされています。
大悲閣拝殿からの景色。アートな風景です。
大悲閣拝殿の中では祈願の受付のほか、授与品の販売も行われています。
本殿はこの奥の岩窟になっており、前の人について行きます。中には十一面千手観音菩薩(お前立)や花山法皇像、西国三十三カ所の仏像などがありました。本殿内は撮影できません。
大悲閣拝殿から境内奥にある池の畔を通り、三重塔に向かいます。このあたり、ほとんど紅葉がありません。
三重塔には大日如来が安置されています。またここから西国巡拝コースがあって、三十三箇所の石仏があるそうですが、大変そうなので断念。
楓月橋から展望台、鎮守堂へ。鎮守堂は展望台のすぐ上にあります。特に鎮守堂からの景色が素晴らしいです。近くには紅葉も。
鎮守堂の欄干は低いです。落ちないように。落ちるとヤバいです。
展望台から降りて来ると、一周して唐門の近くに戻ってきます。手前には三重塔へのショートカットがありました。動線の都合か、ここは通行止めになっています。
また、唐門の手前から奥に行くとちょっとした広場があります。手前は休憩所なのですが、ここに限らず境内の休憩所、あるにはあるものの、なぜか工事の道具や資材が置いてあって使える場所はほとんどありません。
では、奇岩遊仙境の岩山にトライします。特に説明はありません。見てのとおりスリル満点。落ちると確実に骨折、あるいはそれ以上かと。
とはいえ、上からの景色は素晴らしいです。
さて、一般とは順路が異なりますが、元の参道に戻り、その途中から鐘楼堂、護摩堂に向かいます。この辺りも美しい林です。
鐘楼堂(重要文化財)です。裏側に回ると説明があります。後水尾天皇の勅命で前田利常公が再建したもので、戦国時代に朝鮮から渡来した鐘楼があるそうです。
進むと護摩堂(重要文化財)が見えてきます。中は日頃使われている感はなかったのですが、なぜか外に一枚の座布団が置かれていました。
護摩堂から階段を降りると、庚申塚がありました。この庚申(青面金剛)は縁結びの神とされています。
庚申塚の左隣には芭蕉句碑があります。「石山の 石より白し 秋の風」というこの句を残したのは元禄2年8月5日だそうです。
庚申塚の右隣には何やら神社が。「若宮白山神社」と書かれています。石川県神社庁によると明治時代に移転してきたものだそうです。場所柄、那谷寺を通らないと行けないため、日本で数少ない「拝観料を払わないと参拝できない神社」になっています。
紅葉シーズンなので参拝者が途切れることはありませんでしたが、広大な境内ということもあり、混雑感もなく、ゆったりと見て回ることができました。とはいえ自家用車で行くと駐車場の空きを待つ覚悟が必要です。民間の駐車場のほとんどありません。
那谷寺での観音菩薩は白山比咩神と同位であることが興味深いところでもあります。十一面千手観音が安置されている岩窟内の雰囲気は鳥肌もので、山内の迫力ある自然と共に白山信仰の神秘の一端を感じることができました。
取材日(11月8日)の紅葉は少し早い気がしましたので、そろそろ本格的な見頃だと思われます。
取材:OTSnews編集部(2014.11)
那谷寺
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